#4 好意
それからというもの、たくやと過ごす時間が増えていった。
家の近くの公園がたくさんあるので公園まで散歩して
ベンチで数時間話し込むことがあった。
仕事の悩みや人間関係、恋愛の話などほんとうに様々な話をした。
彼は当時仕事をしていなかったので、時間には余裕があったのだ。
しかし話す中で彼は家庭環境が複雑で
両親が何度も離婚をし、兄弟の面倒をすべてみてきたという苦労人であった。
お互いの過去の話などを心を開いて話せる仲となり、
そして徐々に私は彼を意識するようになっていた。
彼がお酒を飲んで酔っ払って女の子と絡んでいると
ものすごく不愉快な感情を抱いた。
そこでようやく私は彼のことが好きなんだと実感した。
ある日いつものように彼と散歩をして・・・
私は意を決して告白しようかなと思った。
らん「ねぇ・・・つき!」
たくや「え?つき??」
らん「月がきれいですね!」
たくや「え?告白?笑」
らん「ちがうよ!!月って言っただけだから!」
と、言おうとしたが急に途中で恥ずかしくなったのと
自信がなかったためうまく伝えられず、変に誤魔化す形で告白は失敗した。